【国際恋愛】イタリア人のモンスターお姑さんと、その対処法

国際恋愛

結婚にまつわる悩みで多いのが“お姑さん”との付き合い方。


昔ほどイカツイお姑さんは減ったと言われてるけど。
それでも、連絡頻度とか、プレゼントとか、お邪魔した時の家事の手伝い具合とか、孫のこととか、etc..
そりゃぁまぁ、もちろん現代でも私たちを悩ませるわけで。
それが外国人だったら余計に文化の違いやお国柄も絡んでくるのでややこしい。

今日はイタリア人のお姑さんと、その関わり方について“私が決めたこと”をお話します。

嫁姑問題に悩む方には、最後まで全く参考にならないブログだけど
最後まで読んでくれよなッ!(急にジャンプの主人公感)


――――

お義母さん(ドーラ)とお会いする前。

お義母さんを知る人からは
「ドーラはToo Strong (強過ぎ)だから」と言われ、

「いや、ほんと思ってるよりToo Strongだからね!」と何度も念を押された。

どうやらそのストロングぶりから、彼の元同級生や同僚もみんなお義母さんを知っていて、「ドーラはToo Strong 」が共通認識らしい。

・・・いや、どんな人やねん。


ストロングが過ぎるってどう言うこと?

女子プロレスラーみたいに物理的に強いって事?

全盛期の北斗晶って事?極悪同盟?

そんなん、検索ワード何でググったら対処法出てくるん?

「お姑さん イタリア人 プロレスラーかも」?


プロレスラーと対峙するかも・・・!?という、絶対余計な緊張感の中お会いしたお義母さんは

女子プロレスラーとはほど遠い、少しぽっちゃりしてるけど小柄で、オシャレな、笑顔がホントに素敵な女性だった。
誰や、女子プロレスラーとか言った奴!!!!

「Ciao〜!Nice to meet you ユキコ〜!」とイタリア訛りの英語でハグしてくれた。

キラッキラしたその目で、心から私を受け入れてくれているのがわかった。


じゃぁ何がストロングなのかと言うと、

お義母さんは…とにかくおしゃべりな人なのだ。


イタリア人って、某ジローラモのおかげで、陽気でおしゃべりなイメージあるじゃない?

陽気イタリアンの根源様↑

でも、彼の家族はお父さんも、弟もみんなまぁまぁ静か。

日本人くらい人見知りするし、チャラさなんてかけらも無いわけ。

想像してたイタリア人とちゃうわぁ〜って思ってたんだけど。
お義母さんに会った時に納得。


トークは全部、お義母さんのターン!!!


もうね、上沼恵美子くらい喋る。

ゲストが気に食わなくて「もう話振らんと全部自分で笑い作ったるわ!」の時のエンジンかかった上沼恵美子くらい喋るわけ。

そら、夫・息子も無口なるわ。



もちろんそのトークの銃口は私にも向けられるんだけど、お義母さんは英語が話せるものの、そこまで流暢なわけではなくて。
話している途中で、英語で何て言ったらいいのかわからなくなると失速して途中で話をやめちゃう時もある。

本来の強さが損なわれてるわけ。
関西弁禁止されて、上沼恵美子が標準語縛りでトークしてるくらい、パワーが激減。

しかも、私と話してる時はそれが頻発する。



最初の頃は、お義母さんが「恵美ちゃん標準語縛りの刑」状態に陥ると、

文脈から予測して「言いたい事ってこれですか?」って聞いてみたり、翻訳機を使ったり、それでも分からなければ彼に聞いたりして、とにかくお義母さんとの会話(一方的に話を聞いてるだけだけど)をすごく大事にしてた。


無口な方よりおしゃべりな方が好きだし、いろんなことを教えてくれて楽しかったし、
お茶目で明るいお義母さんが好きになった。


ただね、徐々におしゃべりなだけじゃないお義母さんの一面が垣間見えるようになって…。

「Too Strong」の意味を理解した。




最初にそのほころびを見つけたのは、彼と3人で親戚の家まで車で遊びに行ったときだった。

親戚の住む海辺の家までは車で4時間かかる。

お義母さんは、「あなたたちには運転させられないわ!わたし運転大好きなの!」と、私たちに気を使わせないように自ら運転手を志願してくれた。優しいねん。

楽しいドライブになるはずだった。




走り始めて1時間。
おしゃべり大好きなお義母さん。

ずっと誰かと電話をしている。

もちろんお義母さんは運転中なので、スマホを車に繋ぎ、スピーカーから相手の話し声が聞こえる安全な方法で。

息子と嫁そっちのけで電話。

しかも、どうやら大して重要な電話じゃなくて
「久しぶり〜元気〜?ほら、前に教えてくれたレストランあったでしょ?あそこ行ったんだけど本当に美味しかった〜♪」みたいなノリのやつ。
暇すぎた時にするようなやつ。ファミレスで友達と2時間ダラダラして、そういえば、で思い出して話すようなどうでもいいやつ。

やっと終わったと思ったら、まだ別の誰かにかけている。
もうかれこれ3時間は経った。

要するに、車内でずっと
「恵美ちゃんのおしゃべりドライビング!(イタリア語バージョン)」が放送されている状態。

何をそんな話すことがあるねん、ウィルコム買いたてのあの頃くらい話すやん!
いやウェルコムて。WILLCOMて。
あの頃にLINEあったら2台持ちとかせんでよかったのに!ってかあの時カップル割してたカップルの何%が別れたんやろ?解約する時どんな空気だったんやろ?
なんて思いながら、
「うるさいけど、まぁこちらに話を振られるよりは気が楽だわ!」と気楽に車窓を眺めていた。


やぁーーーーっと電話が終わると、今度はお義母さんが彼とイタリア語で話している。


彼「晩御飯、ピザでいい?」
私「もちろん!」



どうやら晩御飯のお店を決めていたらしい。
今夜はホテルに泊まるので、親戚とは別に3人でレストランに行くのだ。

お義母さんオススメのレストランに行くとのことで、美味しいピザが食べられるで〜!と浮かれていた。

10分後、また2人がイタリア語で話していた。


すると、お義母さんが突然、

義母「NO!!$@#‰¥!!!!」

彼 「‰$#※▽‰※#@」

義母「NO〜!!※$@##‰#‰@#‰#‰¥※$@#‰¥※$@#‰¥※$¥!!!!」




お義母さんが叫んだ。
それに応えるかのように、珍しく彼の口調も荒くなる。

絶対に、何かとんでもない問題が起きている・・・。


ただ、イタリア語のわからない私は何もできず、ただ落ち着くのを待った。

すると、お義母さんはすすり泣き始めた。



えぇ〜・・・。



思わず何が起きたのか彼に聞いた。

彼「行く予定だったピザ屋が電話予約できないんだけど、人気店だからきっと入れないだろうって。」

ん?

彼「だからパスタ屋を予約してって言われて電話で予約したんだ」


うん、してたね。


彼「そしたら、やっぱりピザ屋がいいって。
でも予約しちゃったり、ピザ屋はホテルからも遠いから今日はパスタでいいじゃない?って言ったんだけど、ピザがいいんだって」

おん・・・。


彼「短時間の間で何度も考えを変えるから、僕がキツめに言ったら“あなたは私を愛してないんだわ!!!”って。
なんでそんな話になるんだよ!!って言ったら、泣いちゃったんだ」



えーっと・・・要は、

ピザかパスタどっちにするか悩んで、最終的に、息子が私を愛してない!って泣きながら運転してるってこと?


わからん。

全くわからん。

そこまで食事に熱くなれるイタリア人に感銘を受けつつ、
ちょっと想像の斜め下をゆく展開に、私には為す術も無く、車内には気まづい空気が流れていた。

それから15分ほど走ったあと、車は停車した。






ピザ屋の前に。





あー、やっぱり来ちゃうんだピザ屋。

車を一番に出て、お店に向かうお義母さん。
バンッ!って。ドア閉めて。月9のヒロイン顔負けに、ドアバァァンッ!って。


ヒロインに置いてかれた彼は、予約してしまったパスタ屋にキャンセルの電話をして謝っていた。

電話が終わるとヒロインの元に駆け寄り、

「夜は肌寒いからこれ着て」とヒロインの肩にセーターをかけてハグ。





甘い、甘すぎる。
甘やかしすぎている。
ハグはいるかな?

まぁまぁ理不尽にヒステリックかましてきた母に対して、神対応が過ぎのでは?


肝心のピザ屋は、運良くすんなり入店できた。

あれだけヒロインしてたお義母さんは、何事もなかったかのように、
「さぁ、美味しいピザを召し上がれ!」と、まるで自分が作ったかのような満足げな笑顔でピザを食べた。

もちろん、エンジン全開の上沼恵美子のように喋り続けながら。

そして、最後に「ダイエット中だから」とピザを半分残した。

なんでやねん。





こんな出来事が、お義母さんといると山ほど起きる。
1日1回とかじゃなく、スケジュール毎に起こる。


お義母さんは考えがコロコロ変わる。
しかも、思い通りにいかないとまぁまぁ感情的になる。
そして、絶対に自分の考えを貫くので、周りは振り回されるのだ。




周りの人間はめちゃくちゃ振り回されるんだけど、結局、行動原理が愛に溢れているのを知っているから、誰もお義母さんを嫌いにはならない。

(今回のピザ屋の件だって、美味しいご飯を私たちに食べさせたかったのが理由だし)

私もToo Strongなお義母さんに疲れはするものの、嫌いにはなれないのだ。




ただ、1つ、決めたことがある。

それは・・・


「絶対にイタリア語を話せるようにならないこと」



今はイタリア語が話せないから程よいボリュームなのであって、

これがイタリア語がわかるようになったら・・・?

考えるだけでお腹いっぱい胸焼けゲボォだわ。


ピザ屋の一件で、この物理的な距離感を絶対に失ってはならぬ、と悟ったのでした。



皆さんも、お姑さんと「物理的に程よい距離を保つ方法」を見つけられたら
心に余裕が生まれるのかもしれません。知らんけど。

コメント

  1. suzu より:

    ミラノに留学中の学生です。イタリア人のうるささと理屈の通らなさに辟易する毎日なのですが、こうして客観的に見てみると面白いものですね笑
    ピザ半分残したところ、本当にイタリア人!って感じ…
    おかげさまで、自分に対するトラブルも笑いに換えるマインドを手に入れました、ありがとうございます!

    • ユキ子 より:

      suzuさん
      コメントありがとうございます!
      いやなんでやねん、と心でツッコミ入れてると大体のことは受け流せるという技がおすすめです。笑

      でも、イタリア語がわからないというのも大きいかもしれません。
      理解できたら、いやなんでやねん、が声に出ちゃいそう。

      この時代に留学は何かと大変だと思いますが、頑張ってくださいね。