突然だが、私は天才・鬼才・奇人・狂人、、、そんな類の“特異な人間”に憧れている。
え?厨二病かよって?
そやねん、もうしっかりアラサーなのに、厨二病スピリッツがいまだに自分の根幹にどっぷり鎮座してねん。恥ずかしいったらないけど、ブログなので言っちゃうよ。
私は10年近くメディア関係の仕事をしていたので、錚々たる天才・鬼才・奇人・狂人たちにお目にかかってきた。
彼らを前にして、いつも共通して感じたことは
「積んでるエンジンでけぇ〜」である。(なんやねんこのアホ丸出しな感想は。)
やっぱり彼らは情熱や偏愛、行動力…それらのパワーが凡人とは次元が違う。
それに比例して、ハタから見ると障壁の大きさや苦しい経験も、凡人のそれとは桁違いなんだけど、彼らは純粋に欲求を追求しているだけなので、その苦しみすら自家発電エネルギーになっていたりする。
そして、周りの目や周囲への影響はいい意味で考えない。
とにかく規格外なのだ。
他人の目や、周囲への影響を気にしすぎて、こじんまりしてしまう私は、
アラサーになったって、彼らのような奔放な振る舞いに憧れちゃうのだ。
―――
27歳の時。
当時、私は失恋をして、仕事の関係で予定していた留学も延期になった。
正確にいうと、
●好きな人と曖昧な関係だったけど、実は彼女がいて私は浮気相手だった。
(だから、もっと正確に言うと只の“都合のいい女”)
●えーまじか。でもまぁ留学あるから物理的に彼とは距離を置くし、想いも断ち切れるっしょ!
それまで2ヶ月くらいまぁ苦しくても耐えるか!
●と、思ってたのに留学延期。えーもうマジ無理なんですけど!辛すぎなんですけど!!
と、ご乱心だったのだ。
拗らせ系アラサーになった私は、
「もう仕事なんて知らない!!!休んで海外行ってやる!!!!」
と、1週間、仕事を休んで海外に行くことを決めた。
決めた!決めちゃったぞ!!!
迷惑かけるとか関係ないもん!!!!
今までだったら絶対しなかったであろう決断に、自分自身、興奮した。
何を隠そう、これが初の海外一人旅。
仕事で韓国に行ったことはあったけど、自分でチケットを手配して自分の意思で行くのは初めてなのだ。
1週間もあればそこそこどこでも行けるんだけど、
「衝動で行っちゃった」といえばアジア以外ないやろ!という偏見の元、エクスペディアで航空券とホテルのセットを購入した。
場所は、響きで決めました、プーケット!
名前が可愛いからいい事起こりそうだし!(なんやそれ)
それから2日後に、私はプーケットへ飛んだ。
初めての海外一人旅はそれはそれは楽しかった。
(プーケットでの旅行の思い出はまたブログに書くとして・・・)
何より、仕事休んで思いつきで海外きちゃうような規格外の大胆さと、奇人っぷりに内心、大満足していた。
そしていよいよ最終日。
プーケットから日本は飛行機で9時間。
昼前に出て夜には日本へ着く。
もう十分リフレッシュしたし、明日からまた仕事頑張ろう。
空港に向かうタクシーの中でそんな前向きな感情に包まれ、来てよかったと心から思った。
しかし問題が起きた。
プーケットから日本へは直行便が運行していないので、シンガポールで乗り換えるのだが、予約内容を確認すると乗り換え時間が45分しかない。
これは乗り換え時間にしたら短くて、飛行機を降りたら空港内を走って移動しなければならない。
もちろん、この間に何かのミスがあったら即乗り過ごし。
明日の仕事には間に合わない。
ソワソワしながら空港に着き搭乗手続きを済ませると、さらなる問題が。
I am規格外なのでね、事件は続いてしまうのだ。
なんと、飛行機の出発が30分も遅れている。
これでは乗り換え時間が15分しかないじゃないか。
これは詰んだ。
シンガポールの空港がどれだけ大きいのかは知らないけど、流石に15分で乗り換えは無理だ。
・・・・じゃぁ、ついでにシンガポールで3日くらい遊んで帰ろっかな。
なーんてね。
ちょっとよぎっただけ。
でも待って・・・めっちゃ良くない?
ほんと規格外って感じゃない?
ぶっちゃけ、明日大事な仕事があったらから間に合うように帰ろうとしちゃってたんだよね。
でもそんなの無視して、はしご国するのっていよいよ特異な人間じゃない私?
思い立って海外一人旅→トラブルで日本に帰れず→仕事あるけど、開き直ってシンガポールで遊んじゃった!
これは普通じゃないよね。
なんだ、私だって特異な人間じゃん。
こうやって解放されてくことで本来持っていたスケール大きさになって行くのね。
経由地のシンガポールに泊まることを決めた私。
遅れている飛行機を待っている間、シンガポールのホテルを探した。
観光情報も調べた。
どうやらカジノがあるらしい。もちろん行こう、一人カジノ。
普通、女子は一人でいかないかもしれないけど、私は特異な人間なので行っちゃうのさ!
現地で美容室とか行っちゃおっかな!普通みんなそんなことしないだろうし!
だなんて、どんどんアイディアが浮かんで来た。
シンガポールもプーケットと同じくらい刺激的な旅になったから、それはまたブログに書くとして
いや、書くことないねん。
間に合ってん、乗り継ぎ。
全然乗れちゃってん。日本行きの飛行機。
その時、痛感した。
「私ってやっぱり凡人なんだな」って。
起こりそうで、何も起きない。
ハミ出そうで、ハミ出ない。
奔放になりなくても、こじんまりまとまってしまう。
それを嫌というほど痛感した旅だった。
最後に、自分に言いたい。
憧れている時点で、一生向こう側に行けないんだよ
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